ベントレー フライングスパー

【施工メニュー】カーコーティングtypeB

                                

 

【走行距離】約20,000㎞

 

【色】

 

【保管状況】室内保管

 一般的に高級車の代名詞と言えば、メルセデスベンツですが、世界にはロールス・ロイスやブガッティ等、更に優雅で名高いブランドが存在します。

 

ベントレー社は、世界の歴史ある車の中でも、階級社会であるイギリスの歴史的高貴な雰囲気があります。またブレミアムブランドではあるものの、ル・マン等、レースでも活躍しており、近年の市販車モデルはスポーティ方向に振った車両も存在します。

 

 

そんな名ブランドベントレーのラインナップの中から、今回は4ドアのフライングスパーです。

走行距離は2万キロ弱で室内保管。近年ガラスーティングされてながらも、メンテナンスはなし。

 

ありとあらゆる傷がある他、全体に艶が失われている状態です。スケール、水じみ、クレーター他、様々な問題箇所を抱えていました。

施工前の状態


特に、非常に問題なのが上記の様に左右違う肌質を持ってしまっていることですね。これらは、確実に前回施工した技術者の人間が、ボディーコンディションをきちんと確認せず、極端に短い時間で施工していたことが予測できます。

 

外車専門店での施工との事でしたが、基本的なマッチングを違う解釈で仕上げてしまっています。また、弧を描いた深い傷。つまり、コーティング施工の前にきちんとした傷を消されていないとコーティング施工後の表面傷が重なり合ってしまっていることになるのです。

 

【施工開始の前に】

当店では、ブースにてボディーの診断を徹底的に行います。ブラックブース内では傷の症状だけでななく、前回どのような手順で施工をし、どの程度まで手を入れたかが解ってしまいます。

 

 スケールから有機質の付着確認は勿論の事ですが、事前のオーナー様とのカウンセリングにより、「ボディー傷をどの程度まで取るか」が第一項目となります。

 

 

「どのコーティング剤を使用するのか?」

 

 

これらは重要ではあるのですが、きっかけの一部としかなり得ません。

コーティング剤による効果は使用環境等により限界があります。いかに手を入れた丁寧な下地処理や研磨作業で、仕上がりの全てが決まっていきます。

 

そして、最大のポイントは「仕上がり具合」です。

 

 

それでは、仕上がりとは具体的にどのような基準が指すものなのか?です。

 

 

車全体の細かい箇所はの処理は当然のことですが、あくまでボディーに関して言えば、初期研磨にてウール素材で入り、仕上げ研磨のウレタン素材を使用した際にウレタンの研磨できちんと決まることが、イコール仕上がり精度になると考えます。

 

 

どの程度の傷を研磨にて追おうが、そこに技術者の研磨傷は絶対に残してはいけません。

 

しかし、残念ながら現在まで当店に持ち込まれ施工した車両はすべて、これらの症状を完全にクリアしている車は1台もありませんでした。

※弱い塗装とソリッド濃色は特に難易度が非常に高いとされていますが、本質は薄色の方が圧倒的に難易度は高いということです。

 

艶自体の表現にはいくつかの手法がありますが、オーナー様のご希望に沿いつつ、メニュー下の中で最大限のパフォーマンスができる事が最も良いでしょう。

 

 

【施工開始】

通常通り、全体の洗浄、ホイール、各部の鉄粉除去、専用ブラシにて各部の汚れを落としていきます。

こちらは、納車時のものですがボディー自体が白くくすみ、写真では写し出す事が難しい程に無数の線傷が全体に入っていました。また、全体も全く艶や潤いが完全に失せており、ガラスコーティング施工は行われていた様です。

 

現在、性能が良いとされているセラミック等のガラスコーティングであっても屋外保管、あるいはメンテナンスなしであれば、有機質と無機質、強い紫外線などからは確実に守れるものではありません。

 

コーティング剤により、ボディーを100%外部から守る事はまず不可能です。

 

弊社の最近の施工車は、殆どがガラスコーティング後に問題を抱えたものが大半です。

 

今回も洗車後、各部の細かい洗浄後に徹底的に油分を落としていきます。特に酷い汚れの車となると一度のクリーナーでは落ち切らないので、場合によっては2度行うケースもあります。

 

この作業をいかに手間をかけられるか?で、後のクオリティーは決まって来ます。

【クリーナーによる施工後】

 

 

これでかなりスッキリした状態になりますが、洗浄から、こちらの処理までは3日半の作業時間を要しています。

 

 

 

次に研磨工程です。

 

 

 

深いキズへの対処

問題は、傷以上に以前ガラスコーティングをされた業者さんがこちらの傷を消しきれず、そのままコートしてしまっている点ですね。

 

これらの傷を処理するには、塗装膜圧の様子を見て単に磨いて消すというものではありません。最初の研磨加圧はソフトに。そして弱いコンパウンドから試して行き、マッチしたコンパウンドにて数度による磨き傷を置き換えていきます。ここで傷が消えない場合、バフ種類による見極め、加圧という手順で傷消し作業をします。

 

 

加圧を強く与える行為は自身の研磨傷を強く与えるきっかけになるので、傷が消える瞬間を見逃さずハイスピードのスイングに研磨モーションに変わっていきます。

そして、最後はゼロキズに持っていきます。

 

 

このベントレーは写真から分かる通り、無数な傷以外にクリア塗装の劣化が見られます。

 

メニューによって傷を取る具合は変わるのですが、ここで非常に大切な事が「研磨量」です。

 

どの傷を取るか?のコンパウンド選択も大事な事ですが、同時に艶や光沢具合もポイントとなります。

 

これらは塗装コンディション次第で、仕上がること自体困難なケースもあるのですが、私が特に気をつけているのは、マッチしているはずのコンパウンドが初期の研磨にてトーンダウンしてしまう場合がある点です。

 

塗装コンディションにより、初期研磨で艶面を先行で出すときもあれば、仕上げ研磨の時間を長くして精度を上げていくパターンもあります。

 

 

傷を消し、良い感じの艶が出たにも関わらず、洗い流した瞬間に想定の艶具合から落ちてしまう場合があるのです。

 

 

このような自体になってしまうと、通常の艶レベルは出ていても「潤い感のある艶」には届いていないことになってしまうケースさえあります。勿論、研磨する機械種類やコンパウンドにより、仕上りの差やクオリティーは変わるものの、特に初期による研磨では、ある一定の方向性を出していうことが必要です。

 

 

ブラックブースの現環境では、通常のブースでは見られない傷を確認するだけではなく、全体の艶具合によるトーンまで確認する事が可能です。

 

これらをきちんとしたもののレベルまで押し上げるには研磨による量、バフの使い方と摩耗度、そして加圧によるグリップ力が大切です。

 

加圧によるグリップのコントロールは最初からやる必要はなく、これらは同時に行うものと手順として行っていきます。

 

特にソリッドカラーや弱い塗装は、よりシビアなので如何に手前から崩していくことが必要です。

 

量=回数は同じ基準にはなりませんが、回数は目安ともなり得るので、考え方としては「現状メニューから求められる必要か箇所に必要な分量」がキーと言えるでしょう。

 

 

またこれらには、コンパウンドの量や位置によっても変わって来ることなので、塗装へのアプローチは技術者側からだけの見る視点だけで作業する事は非常に危険です。

 

あくまで車、もしくは塗装側から見た双方の考え方が重要であり、一流と言われるカーディテイラーの方々は、これらをきちんと理解され、素晴らしい仕事をされていると思います。

 

施工後のベントレーは一段と美しい状態になり、元の高級な佇まいに戻れたかと思います。

【研磨処理後】

 

 

施工後写真