top of page

王者GTR 真のライバルとは?エピソード2


前回に引き続き、GTR、真のライバルとは?です。ライバルとは色々な見方が人にはありますよね。

普段の生活であっても仕事上のライバルであったり、友達であってもライバルであったりすると思います。

しかし、このGTRに関しては一概に一車種限定では語れない部分がかなりあると考えています。 初代KPGC10から見て、第二世代GTRまではポルシェがライバルであったと言うよりは、目標にしていた自動車メーカーとなるのが、分かり易い答えに近いと思います。

その理由の一つとしては、例えば自主規制。GTRと言えど、本来の力を発揮するには当然ながらエンジンから足回りのチューンをしてこそ、最大限の実力出来る事は皆さんもよくご存じかと思います。

しかし、この280馬力の規制が長い時間日本には存在していたため、R32のデビュー時に持っていた圧倒的なアドバンテージはこの自主規制により、世界のライバルからも徐々に縮められてしまいました。

R32からは、かなりの進歩を遂げているR34であってもサーキットの直線ではポルシェターボには遠く及ばず、NAの360モデナにもGTRは簡単に抜かれてしまう状況が多々ありました。

サーキット全体のタイム、筑波サーキットで例を上げて見ますと欧州スポーツカーに対し、R34でさえ約2秒は離されています。

※勿論、GTRですからチューニングすれば話し変わって

いくのですが。

GTRがストレートで、欧州勢にあっという間に抜かれてしまうと言うあの光景を見てしまいますと、やはり初代~R34まではポルシェが真の直接ライバルとは言いがたいものがあります。

またセールス面、ブランド面でも、それらのプレミアム・スポーツを購入されるユーザーからはまだまだライバル=同格としては見なされていませんでした。

それでも特に優れたハンドリングは、これ以上はないと言っても良いものがあります。

32ではアンダーステア傾向ながら軽快さとパワーの両立、33ではストレートでの安定性を武器にサーキットでも速く、34はエアロダイナミクスとボディー剛性の強化。アテーサの質の向上は当然ながら高速時のスタビリティ、トータルバランスが格段にアップしています。

 またスカイラインGTRと言う車は、自分で好みのチューンが出来ると言う他の車両にない特筆があり、元はスカイラインの派生として故櫻井氏が開発し、育て上げた日本で唯一無二の存在であります。

R32時代は、むしろ直接的なライバルは不在であり、R33はNSX(Sゼロ)がほぼ対等な性能、R34に関しては直接のライバル格下だったランエボ7やインプレッサ・スペックCになっていたのが事実です。

私自身、BNR34オーナーでしたので、この事実は当時受け入れがたかったのですね。レースではS耐では負けなしであったものの、GT選手権ではスピードに関しては完全にライバルに負けてしまい、チャンピオンは取れたと言えど、2000年代はGTRはGTRらしさが活かされていなかった時代とも言えます。

また、これらの敗因としては大きくなってしまったボディーに重量は増加、そしてセダンボディーと言うスタイルがスポーツ、スピードに大きく影響していました。

それでも、きちんとしたチューニングさえしていればタービンの大きさ変更であったり、足回りを変える事でライバルを引き離す事は十分可能です。マフラー、フロントパイプ交換だけで80馬力近く、ポンと上がってしまいます。

この車を開発した経緯には日産の901活動なるものがあってこそですが、それと共にGTRを成長させたのは全国の優秀なチューナーあってのこそだと思います。

この自主規制さえなければ、と言う考え方も出来るのですが実はまだこの時代、国産メーカーには400馬力、500馬力のエンジンを造るノウハウが足りませんでした。

例えば、ニスモで400馬力チューンエンジンを積んでも同じ400馬力のポルシェターボにはストレートで引き離されてしまいます。

スカイラインGTRの構造上、大きく長い直列6気筒がネックになっていたのも事実ですが、ポルシェは元々のエンジン単体の熱効率が非常に高い事もあり、この差が一番大きかったのかもしれません。

速く、強いGTRであって欲しい、負けるGTRの姿はファンは見たくないはずでしたからね。日産同様、ファンもグッとこらえなければならない、そんな時期であったと思います。 よって、ライバル、、、とは。

第二世代のスカイラインGTRには真のライバルは実質は存在していなかった様に思われます。各地のサーキットタイム集計から見ますと、市販車の性能的な観点で言えば三菱ランサーエボリューションが事実上、ライバルと言えるでしょう。

では、世界的なブランドとして「GTR」はどうなのか?です。

一つの車種、自動車ブランド観点から考えますと、まだまだ知名度、輸出台数を見てもブランドとしての確立がなされていませんでした。

このセダンベースのかたちをしながらも、世界唯一無二の存在であると本当の意味で魅力を知られていくには、もっともっと時間が経ってからの事になります。 

※現在の第二世代GTRの評価は国内問わず、海外での評価がそれらを物語っています。


次回エピソード3にて、真のライバルが登場します。

またモデルもR35に変わり、一気に世界レベルへ到達。むしろ追い抜いた瞬間に日産は立ち会う事になります。  ご存知、元日産、奇才水野和俊氏の話しを交えながら、これぞGTRワールドというお話しさせていただけたらと思います。



閲覧数:2回0件のコメント

Comments


bottom of page