こんにちは。GTRについてお話しさせて頂いているヴァルキリー・アーチーのG鈴木です。
本編はエピソード3、ファイナルとなります。 アメブロにて、主にカーコーティング以外にも様々な車へ対しての見解、思い、そして答えも問わせてさせていただいております。 今回はテーマは、GTRのライバルについて。また真のライバルとは?ファイナルエピソードに於いて、主観と客観の両方に引っかけて問いたいと思います。 本来GTRのライバルとは?となりますと、その世代により考えも異なると思います。特にGTRの場合、サーキットだけでなく、ゼロヨン等様々なステージを持つ車両です。世間の方の大半の方のご意見の通り、ライバルは「ポルシェ」である事に間違いはないと思います。
ですが、やはり正確に言えばポルシェと対等な立場に近づいたのは、あくまでR35の日産GTRになってからです。
市販車としての性能面から見て、R35GTRは歴代のモデルから見ても抜群の性能を誇っています。
※黒澤元治氏(ハコスカGTRの雄)もR35が異常に突出していると言う言葉を述べています。
スカイラインGTRまでは、あくまでスカイラインの派生車であり、R35だけが単体で開発されたと言う面も大きくありますが、車造りの根本が最初から従来の車造りをされていないと言う点が、この車両の最大の特徴であると言って良いと思います。
ご存じ、元日産の水野和俊氏により生み出された訳ですが、水野さんの経歴や思想、また常にそこには「レース」というワードが一体化していますので、一言で「速いGTRを造る」という言葉だけでは、水野さんの場合は成り立たないエンジニアです。 デビューこそ、2007年でしたが2005年にはGTRプロトなるものがメディアには登場し、あの時点で昔のGTRではないと言う事を感じた方は多くいたのではないでしょうか?
※故櫻井氏(初代ハコスカGTR開発責任者)はこの場面に立ち会っています。「外国車の様になってしまいましたね」とコメント。 日産の歴代の開発者の方を見てみますと、櫻井さん、伊藤さん、渡邉さんと皆さんはスカイラインとしての基礎を学びながら共に成長して来た方々であり、特に伊藤修令さん(R32商品主管)の言葉には「私の人生はスカイラインそのものです」と語られている程であり、彼らはGTR以前にスカイラインという名車を愛してやまないエンジニア集団です。 しかし、水野さんに関しては過去のスカイラインやGTRは担当していたものの、むしろ私の印象ですと、スカイライン自体を客観視していた独自の人物であり、元の根源がスカイラインではない考えを持つ、常識が真逆のエンジニアであったという事です。
水野さんの設計思想も、細かい部分では過重グリップやリアトランスアクスル、トルクステア等、様々なアイデアは盛り込まれていますが、単に速さだけを求めるのではなく、顧客がオールマイティーに普段から乗りこなせる車造りを目指していました。
速さと一般走行の両立の部分で細部の細部まで、このR35は本当に深く追及、そして開発されています。量産で出来ないものを量産する。
これこそが水野流であり、またGTRとは工業品ではなく工芸品。後に水野劇場と言われる程、従来の車造りさえ否定し、マスコミの前でもジャーナリストを黙らせる、唸らせる、稀に見る理論的天才の登場そのものでした。
旋回性能に関しては、フェアレディZ(水野氏が設計)とは全く違うアプローチを施しており、特にニュルブルクリンクでのテストでは異常な程、日産水野チームは再三のテストを当時は繰り返していました。
※ニュルブルクリンクではZは1.2G、GTRは2G以上の旋回性能。 デビュー前にはメディア、雑誌、ビデオ等ではポルシェターボと同時走行テストがなされており、あのR34では全く歯が立たなかったポルシェターボにピッタリと付くR35の映像が写し出されて記憶が鮮明にあります。 そして2007年デビューイヤー、ニュルブルクリンクタイム7分38秒と言うコースレコードを引っ提げてのアナウンス。これは当時のコースレコードを持つ911GT2の7分45秒を凌ぐと言う驚異的なものでしたね。 つまり、このタイムをポルシェから塗り替えた事によりGTRは初めてポルシェのライバルとなり得る事が出来、むしろタイムでは翌年にはカレラGTのタイムを上回る事で、ここで真のライバルとなったというのが私の見解です。
※正確には2007年より、2008年に世界最高峰の車となり得たと考えます。 またポルシェサイドから見ても明らかに日産を意識したのは、この年からであり、このポルシェvs日産GTRの構図こそが後のニュルタイム合戦に繋がるわけですが、その象徴としてきっかけを作ったのは間違いなくGTRであり、日産であったと思います。 GTRの真のライバルは間違いなく、ポルシェ911。
R35というとてつもないモンスターによって描かれたものです。
しかし、また時代は変化するものであり、R35が終結した際には新たなるライバル、次世代のGTRはむしろ、このR35GTRを超える事が最大の壁として始まりますから、自らがライバルとなる事になるでしょう。
王者とは常に宿命があり、常に戦いと迷いあり。そしてまた新たな伝説が作られていくものなのかもしれませんね。 Valkyrie Archie G鈴木
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