いよいよ、下地処理の最終工程、研磨に入ります。
このポルシェは純正によるソリッドブラックカラー。単にボディーにあるキズを取っていくだけではなく、最終的に艶の質感を上げていかねばなりません。
研磨工程も、作業中に自身の磨きキズが必ず入っていきますから、それらをバランス良く仕上げるために、コンパウンドによるマッチングを決めていきます。
基本、これらは強い塗装、弱い塗装を基準にキズが消える瞬間を決めてテストしていきますが、この時点では、キズの消し具合だけに焦点は当てていきますが、同時に初期研磨による艶の精度もあらかじめ、どのような部分まで持っていくか、イメージではなく基準を出していきます。
これらには、様々な技術者の考え方はあるはずですが、弊社のような長い時間をかけ、現研磨法である場合、後の「有効性」が非常にポイントとなっていきます。※通常のシングルアクションポリッシャー、ギアアクションポリッシャーは一切使用しません。
ボディーの傷が完全に見えてしまうブラックブース環境では、磨きながらコンパウンドが上膜に被っている状態と下膜、つまりコンパウンドを取り除いた部分の艶感のギャップを適度に確認しながら研磨を入れていく事になります。
この状態は、元のキズを消しながらもバフによるキズが入ってしまう反比例を指しています。ブラックブース環境では、マイクロファイバーで拭いたキズさえ、見えてしまう世界ですので、よりシビアな作業となります。
新しい塗装、古い塗装問わず、塗装コンディションにより、常時変わってしまうので特にソリッドブラックとなると、初期による研磨自体何となくうまく行っていても、マッチングや研磨量を誤ってしまった場合、箇所箇所による調合がおかしくなってしまうのです。
また研磨直後、単に肉眼確認だけでは、ライト光のバランス、偏りもあり、人の目が錯覚してしまうこともかなりあります。
また、傷が見えやすいブラックブースと言えど、施工技術者の立つ位置によって傷が見えたり見えなかったりもあるので、研磨工程の切れ目では再度動画にて撮影し、確認を行います。カメラ内にて違和感があるところは後に修正を加えていきます。
多種類にわたるバフを使用しながら、消耗度との兼ね合いも非常に大切です。
これらに段階に分けた加圧コントロールも与えます。そして、パネル箇所に合わせた正解の研磨量をきちんと見極め、最後は一気に樹脂コートにて引き締めたボディー精度を達成していきます。
まずは、マスキングです。
そして、ウールバフによる1工程目研磨、2工程目と入っていきます。ボリッシャーによる加圧は最初の時点では無理に使わず、あくまでマッチしているコンパウンドを主体に低重心ダブルアクションで磨いていきます。
この塗装は、傷が取り易い感触はありましたが、低重心ダブルアクションとは言え、磨いている側のキズはすぐに入ってしまいます。まずは傷が消えた状態ではなく、消えた瞬間を見逃さず、高速スライドにて様子を見ながら、磨くスピードを変えます。
また、箇所箇所にある深い傷に関しては更に強めのコンパウンドを使用し、そこで問題がある箇所は加圧を入れていきます。
このようにウール初期では、仕上げ研磨に入る前にいかにウールバフで入るキズを小さくもっていくか?が非常に重要です。また、目的としている艶の質感に持っていけているかどうか?も同時に重要事項です。
【初期研磨後】
この時点でイメージしている艶質を出していれば、仕上げに行うウレタンによる研磨が非常にスムーズにいくと思います。
今回に関しては、ボディー傷&研磨キズ、セロを達成目的ですから、初期研磨後の仕上げ研磨はキズの置き換えを2回程行い、箇所箇所には症状による修正をしています。
【仕上げ研磨後】
そして、従来の塗装クオリティーに。またら深みの演出の部分も出て来たかと思います。
しかし、まだ完成ではありません。これに最後に、水溶性樹脂コートを全体にウレタンバフにて、ゆっくり馴染ませていきます。
この最終仕上げのコーティングの染み込ませにより、コーティングの定着していか、より一段と潤いを増していきます。
【完成】
いかがだったでしょうか?文章にて、本当に細かい箇所のニュアンスは省かせて頂きましたが、プロショップにおける弊社のブラックブース環境では、常日頃から再三の注意を払い、より精度の高いものを目指しております。
施工期間は、一週間と決して短いものではありませんが、ご依頼して頂いたお客様には、「満足してもらうこと」が何より大切な事だと思います。
「ポルシェ930カレラ ソリッドブラック」施工完了です。
今回もご愛顧、ありがとうございました。
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横浜市山手 Valkyrie Archie(ヴァルキリーアーチー)
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