屋内保管車は何故、こんなにも汚れてしまうのか。また、ガラスコーテイングは本当に効果はあるのか。これらは何度かお話させていただいておりますが、コーティングで屋内保管車を完全に汚れから守ることは、まず不可能です。
汚れ方には、それぞれ違いがありますが特にやってはいけないことがガラスコーテイング施工をして、全く洗車をしない状態です。この場合はコーティングしたことにより、もっと汚れてしまう危険性があります。当店は比較的メルセデスベンツの施工が多いのですが、デイ―ラーで勧めているガラスコーテイングは、コーティング性質を見ても良いとは言えません。その多くの原因はガラスコーテイングの物質に含まれるポリシザランによるものなのですが、このポリシザランはメリットとデメリットを同時に発生するばかりでなく、そもそも水との相性がよくありません。
上記写真のように、洗車を普段からあまり行わず、直射日光を受け続けると、まずこのような状態になってしまいます。
また、洗車を行ったとしても、きちんと拭き取りを行うことが非常に大切です。
お客様の質問の中に、「撥水が強い方が良い」や「撥水が薄れた」などの声をお聞きします。撥水性能が極端に良いからと言って車が汚れにくいと言うことでもなく、濡れたボディーの面をしっかりと拭き取る作業をしなければ、至って良いコンディションを残すことは出来ません。
今回のメルセデスベンツGLAに関しては、その点を踏まえ、徹底的に下地洗浄で汚れを落としていきました。通常のデイ―ラーコーティングでは、すべての工程を数時間で終わらせてしまいますが、このような作業時間では、まずしっかりとした洗浄は行うことは出来かねます。
当店の「プロスペック・コーティング」では、ボディーから各部洗浄で約三日間、研磨が3日間、コーティング塗布と仕上げで2日間を要します。
作業自体は、ブラックブースにて行うため、通常ブースでは見えない傷から汚れ、痛みがほぼ見える状態になります。
そして、すべての洗浄が終わった時点で研磨に入りますが、これらの傷を消すためには慎重に行うだけではなく、傷がピッタリと消えるマッチングも見つけねばなりません。メルセデスベンツの塗装は非常に硬い部類の塗装に入るため、比較的、強いアタックで研磨が可能ですが、国産車や弱塗装の場合等は、簡単に磨きによる傷が入ってしまいます。この磨き傷には、様々なタイプがありますが、ブラックブース環境でみた場合、大抵の車に技術者による研磨傷が残っていることが多いです。
これらはマッチングから、あらゆる要素がボディーの症状に対し、合っていないことを意味します。また、施工時間に限界があるとも言えるでしょう。
そして、研磨完了です。
基本的に、ボディーの艶は下地洗浄と研磨により導き出していくことが最も美しい状態になります。コーティングによって独自の艶は出すことは可能ですが、その割合は約1割程度なのです。
コーティング施工完了です。今回は、屋内保管車ということで、既存ガラスコーテイングの弱点を補うことのできる「硬化型ハイブリッドガラスコート」を使用しています。
こちらは、コーティング上に付着してしまう無機質、有機質に対して軽減が可能なため、デイ―ラーコーティングを上回る性能を誇ります。また、この上にトップコート(撥水型ガラス系コーティング)を重ねることで、コーティング上層で、いかに汚れを逃がす働きをさせています。
ボディーの質感は上がり、ルーフも滑らかな状態になったかと思います。
メルセデスベンツを所有される方へ、是非知っていただきたいことは、塗装が非常に硬質であるという点です。洗車には多少なり力を入れても、そこまで問題はないかと思います。しかしながら、特にルーフはその塗装質を持ってしても、強い直射日光には焼き付きのような症状を起こしやすいので、洗車時の拭き取りはしっかりと行っていただけるのが良いでしょう。最悪の場合は、強く深いクレーターが出来ている箇所にはサンディング施工を行っても手遅れの場合があります。
※洗車は必ず、洗車傷が付いてしまうものです。弱い塗装やソリッドブラック系はどの車両も目立ちます。
当店は、予約制の施工とさせていただいておりますが、1台1台に於ける施工時間を非常に長く取ることで、細部まで徹底的に仕上げていきます。ボディー自体の質感をまず上げることで、初めてコーティング性能が活きていくことを、ご理解していただけたら幸いです。
今回もご愛読、ありがとうございました。
G鈴木
予約制カーディティリング・パドック
【ヴァルキリーアーチー】
神奈川県横浜市中区本牧間門25-11プロミネンス本牧103
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